土沖novel

□TRUE CORORS
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花の色は移りにけりな
いたづらに我が身よに
降るながめせしまに

この詩を読むと切なく
なるのは何故だろう?

毎年この季節になると
土方さんの部屋に紫陽花の花が一輪。
女にモテるあんたにゃ
お似合いだと思う。

別に好きだって言われた訳じゃないけど俺を抱いた後に他の女の香りを
つけて帰って来ないで
欲しいでさ。
何食わぬ顔で俺に触れないでほしい。

鏡に映る顔。化粧1つでこんなに変わるんだねぃ‥愛しい人にそっくりな姿を見たら貴方はどんな顔をするだろうか?

俺は土方さんを訪ねた。「入っていいですかぃ」「総悟か、どうした?」襖を開けた時の貴方は‥「ミツバ?」
薄暗い廊下に佇む俺を
姉上と勘違いしたらしい
「十四郎さん」フワリ
抱きしめると石けんの
香りがした。
濡れた漆黒の髪が色っぽい。
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