土沖novel

□TRICK OR TREAT
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あれは総悟がまだ5歳の時の10月31日。
「しねー!ひじかた」 気持ち良く眠る布団に ダイブしてきやがった。「総悟?テメっ!何しやがる」
イタズラで叩き起こされた俺は何時も以上に不機嫌な朝を迎えた。
朝食を食いに行くと
近藤さんと総悟が楽しそうに食事をしている。
「トシ、おはよう」
「ああ‥おはよう」
さてマヨネーズをかけようとした所へ
「そうごのまよねーじゅかけてあげましゃ!」
「あっありがと‥」
山盛りのマヨネーズご飯を口に入れた。
「ウッ総悟!お前何かけた?」余りのまずさに茶で流し込んだ。
「なまくりーむにからしをまぜやした」
「嫌がらせすなや!」
涙を流し笑う総悟を追いかけ捕まえる。
「お前何で何時もより
イタズラするんだ?言ってみろ!」
暴れるだろうと思って
いると
「とりっくおあとりーとでしゃぁ」
「は?何だそりゃあ‥」俺の膝にちょこんと座りハロウィンと書かれた
絵本を開く。
「イタズラしたらお菓子をもらえると思ったのか‥総悟?」
「そうでしゃあ」
満面の笑みを浮かべる
総悟に怒りも忘れ蜂蜜色のアイツを肩に乗せ
駄菓子屋に向かったっけそして今年も
「TRICK OR TREAT」と
やって来た。
 

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