土沖novel

□ANGEL SNOW
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いつもと変わらない朝が来た。

ただ違うのは総悟が居ないという事だ。

「寒いと思ったら雪が降ってやがる」

ちらつく雪を手のひらに
受け止めると儚く消えた
まるでアイツの人生の様に

なあ総悟。お前にも見えてるか?

昨年の冬「土方さん雪見せて下せぇ」

体に障ると思ったが暖かくして

膝に乗せ縁側で雪景色を
眺めていると
「知ってやすか?」

粉雪を手のひらに乗せ

「これはANGELSNOWって言うんでさ」

寂しそうに笑う総悟。

「何でそんな事言うんだ?」

「もし俺が死んだら粉雪が降る度に思い出して欲しいから」

俺は総悟の言葉を遮るように

細い体を抱きしめ

「死なせねぇ!来年も
また一緒に見ような」

その言葉に応えるような
微笑みを見たのが最後の姿だった。

今年もANGELSNOWが舞い降りた。

ありがとう。総悟

お前の気持ちは今も生きているから。

また来年も逢いに来いよ‥
 

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