土沖novel

□CANDY RAIN
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「何で雨なんだよ」

会議が終わり外を見れば銀色の雨

数時間前
「傘持って行きなせぇ」

総悟に言われたにも
関わらず

「降る訳ないだろう」と
出て来た罰なのか。

今頃「俺の忠告聞かないからでさ」

思ってるだろうな‥

降りしきる雨の中煙草を
燻らせるとある光景が
蘇ってきた。
あれはまだ真選組結成前の事だ。

「ひじかたしゃん。
きょうはあめふりましゃぁ」
出掛けようとする俺の
袖を掴む。

空をみてもスッキリ晴れ渡っている。

「総悟大丈夫だ。
雨は降らねぇよ」

頭を撫でれば

「ぜったいふるんでしゃぁ」
顔を真っ赤にして訴える。

何とか宥め道場で一汗
かいて帰ろうとすると
総悟の言う通り雨が
降り始めた。

仕方ない

濡れて帰るかと外に

出るとまるで傘のお化け
の様な姿が霧の中に見えた。
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