雪比良隊員の妄想記

□本音は……?
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「恋次ィ!!!!」
 先の戦いの怪我で療養中の私の部屋に、突風のような一陣の風とともに、大声で恋次の名を叫びながら、窓の外から橙色の頭を覗かせた人物がいた。
 突然の事と、三階の病室の窓から声をかけるという非常識な振る舞いに、私は少し驚きはしたが、この人物には何となくそのような粗暴な態度も許せてしまう気がした。
 ……常識に囚われないという点で。
 

 声をかけられた当の本人恋次は、珍しくも私と真面目な話をしていたところを邪魔される形になり、直ぐさま「うるせえよ!!」と叫ぶと、其奴に頭突きをかましていた。
 額同士を擦り会わせゴリゴリしながら、「…今、俺ちょっといいこと言うとこだったんだぞコラ…」と凄んでいる。


――私の寝台の上で…


 最初の一撃…かなり良い音がした……



「ルキア…どこ行ったかしらねえか?」

 恋次の仕打ちからどうにか逃れた橙色の頭の人物…黒崎一護がここを訪れた理由は、どうにも私の義妹の所在を尋ねる為であったらしい。


 ……?
 怪我がほとんどなかったルキアはもう、十三番隊の隊舎に戻っていた筈だが……?
「あ?何だ!?ルキアがどうかしたのか!?」

 恋次も疑問に思ったのだろうそう尋ねるが、黒崎は「知らねーならいいんだ別に」と言った後、隣に顔ひょこっと覗かせた井上織姫とともに、暇(いとま)を告げてきた。

「悪り!恋次!白哉!俺ら行くわ!」

「おじゃましました、恋次くん白哉さん!」

 そう言うと二人連れ立って去っていった。
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