雪比良隊員の観察記

□信頼と愛情と
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「………ン…」


 ぼんやりとした灯りが眩しく、俺は目を覚ました。


「すまん、起こしたか?」


 その気配を敏感に察知した恋人が、申し訳なさそうにそう聞いてきた。


「…ん、大丈夫…」


 俺は寝起きで霞む目を擦りながら上半身を起こすと、拍子に掛布団がずり落ちた。


「?」


 自分で布団に入った記憶がないから、どうやら何時の間にか眠ってしまった俺を修兵はここまで運んでくれたらしい。


「…俺、どれくらい寝てた?」

「さぁ…2、3時間くらいじゃないか?」

「…マジで?…そんなに…」


 修兵が昼間終わらなかった仕事を持ち帰ってきたから、せめて手伝える事があれば…と思い隣で作業を手伝ってたのだが、書類を整理する事くらいしか出来ず、結局やることも無くなった俺は寝てしまったみたいだ。



「なぁ、修兵…まだ寝ないのか?」


 さっきと同じ姿勢で、相変わらず机に向かい黙々と筆を動かしている修兵の背中に、心配になった俺は声をかけた。

 よくよく見れば、すでに深夜の2時を過ぎている。


「ああ…、もう少しかかりそうだ」


 そう答えた修兵は最後に「すまんな」と一言付け加えたが、その声音には疲労が充分に伺えた。



「……、別に謝る必要なんてねぇけど…」


 俺の方こそごめん、と逆に謝る。


 修兵が日々忙しく駆け回ってるのを解っていたのに、会いたくなって遊びに来てしまった俺の方が悪いんだから……
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